美しい床&フローリングを長持ちさせるフロアコーティング

住まいの床フローリングはいつまでもきれいに保っておきたいもの。 使っているうちに、表面に汚れや傷がついてしまうと、元通りにするのは難しくなります。とは言え、日常的に水拭きやワックスがけをするのは負担が大きく現実的ではありません。そんな時に便利なのが、フロアコーティング。 お手入れの手間を省いて、美観を保つことができるこのフロアコーティングの基本的な知識と、コーティングを行う際の費用や注意点などをまとめました。


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フロアコーティングとはどのようなもの?

フロアコーティングの役割・必要性

フロアコーティングは、床面に専用の塗料を塗布することで表面に皮膜を作り、汚れや傷などから床を守るもの。
こう聞くと「ワックスもフロアコーティングなのでは?」と思ってしまうのですが、ワックスは水や薬品に対する耐性が低く、また3ヶ月程度で塗り替えなくてはなりません、その一方で、フロアコーティングは水・薬品・擦れに対する耐性が高く、その効果が持続する期間も2〜30年と長いのが特徴です。

フロアコーティングの実施に適した時期・効果を発揮する場所

ただし、当然のことながらフロアコーティングを行ったとしても既についてしまっている傷や汚れがきれいになるわけではありませんから、コーティングを行うのは新築や床面リフォームを行った直後の、床がきれいな状態である時が最適。

また、「フロアコーティグ」はリビングだけでなく、台所・脱衣所・お風呂などの水のかかりやすい場所や汚れやすいトイレ、子供が走り回ったり物を落とすことが多い子供部屋など住まいのあらゆる場所に行うことが可能です。特に水廻りや台所など頻繁に掃除が必要になるお部屋の床の場合は、フロアコーティングによって床が傷や汚れから守られるだけでなく表面の塗膜が水や汚れを弾いてくれるためお掃除の手間も省けます。
さらに、ペットなどを室内飼いしているお部屋であれば、フロアコーティングが爪による傷から床を守ってくれるので便利です。

フロアコーティングの種類

現在、フロアコーティングには大きく分けて、4つの種類が存在します。
それぞれに耐久年数や光沢などに違いがありますので、まずはその特徴を知っておきましょう。

■ウレタンコーティング
最も古くからあるフロアコーティングの種類で、フローリングなどの硬質な床面への塗布に向いています。その反面、歪みや曲がりには弱いので、クッションフロアなど柔軟な素材を使った床に使用することはできません。ウレタンフロアコーティングは摩擦による傷に強く、椅子が並ぶダイニングなどで大活躍します。また、素材そのものに控えめな光沢があるため、床面に上品な艶が生まれます。ただし、他のコーティング方法と比べると、耐久年数は低くおおよそ3〜10年ほどとなります。

■シリコンコーティング
水にも汚れにも強いシリコンコーティング。ガラスなどの素材を使ったコーティングは表面が艶やかになる反面、滑りやすくなってしまうのが難点ですが、シリコンコーティングは表面が滑りにくいのが特徴。お年寄りのいる家庭や、フローリングの上を走ることで足腰に負担がかかってしまうペットのいるご家庭に最適な方法と言えます。
また、表面の艶は光沢のあるもの、ないものの選択が可能であることが多いようです。耐久年数は比較的長くおおよそ10〜20年ほどとなっています。

■ガラスコーティング
4種類のコーティング剤の中では最も硬質な素材です。水や薬品に極めて強く、また紫外線などにも強いため、日の当たる部屋の床面などにコーティングすると日光によるやけを防いでくれます。また、洗剤や水を多く使う水廻りにも比較的むけているといえるでしょう。
またガラスコーティングの場合は、フローリングだけでなくクッションフロアなど柔軟な床にも対応可能。耐久年数は、15〜20年ほどです。

■UVコーティング
耐久性が最も高いのがUVコーティング。特殊な樹脂を使って、床面をコーティングします。家具などを引きずった際の摩擦などにも強く、水や紫外線にも強いためキッチン・ダイニング。トイレなどあらゆる場所で効果を発揮するオールラウンダー。ただし、素材の特性上ツヤのあるものだけとなっています。基本的に、一度塗布した後の再施工はできませんが、耐久年数は15〜30年となっているため、大きな問題とはならないでしょう。

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フロアコーティングの選び方


4種類あるフロアコーティングを選ぶ際にどのような基準で選べばよいのでしょうか。

耐久年数

■UV>ガラス>シリコン>ウレタン
耐久年数が最も高いのはUVコーティングで最長30年程度。最も低いものはウレタンの最長5年程度。ただし、耐久年数を超えた場合、コーティングを再度行う必要があります。ウレタン・シリコンのコーティングは再施工が可能ですが、ガラスやUVコーティングは再施工ができません。

コストパフォーマンス

■ガラス>UV>シリコン>ウレタン
30㎡程度の床面を施工した場合の1回あたりの施工価格は、ガラスコーティングが10〜25万円程度。UVコーティングは10〜20万円程度、シリコンコーティングが10〜15万円程度、ウレタンコーティングが5〜15万円程度となっています。しかし、耐久年数を超えた床面に再度施工を行うことを考えると、1回あたりの価格が高くても、長期間床を守ってくれるガラスやUVコーティングが優位です。

家族の安全性

■シリコン>UV>ガラス>ウレタン
高齢の方やペットが床を歩いた際に、足腰に負担がかかりにくくまた滑りにくいという安全性を重視した場合、シリコンコーティングが最も適しています。またシリコンにはやや劣るもののUVコーティングも滑りにくい素材となっています。反面、ペットの爪などによって床が傷つくのを防ぎたいという場合は、ガラスコーティングを選びましょう。

傷に対する強さ

■ガラス>UV>シリコン>ウレタン
床の上を歩いたり、椅子や家具を動かす際に床はわずかずつですがすり減っていきます。この摩耗に最も強いコーティングはガラスコーティング、続いてUVコーティングとなります。とは言え日常生活を送る上での摩擦であれば、ウレタンやシリコンコーティングでも床面を十分きれいに保つことができます。

水や薬品への耐性

■UV>ガラス代≧シリコン>ウレタン
床面の掃除に使われる洗剤などの薬品に対する耐性はUVコーティングが最も高く、アルカリ性・塩素系の薬品が使用できます。次亜塩素酸などのウイルス除去効果のある薬品を使って、床を掃除する場合はUVコーティングが適しています。続いて水拭き、アルコール吹きが可能なのはガラスやシリコン、水拭きに対応しているのがウレタンとなります。

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フロアコーティングの費用&アフターケアについて

フロアコーティングにかかる費用

選び方でも説明しましたが、おおよそ30㎡の床面にコーティングをした際の概算価格は下記通りとなります。また、併せて耐久年数についてもまとめました。

■UVコーティング:10〜20万円/耐久年数:15〜30年
■ガラスコーティング:10〜25万円程度/15〜20年
■シリコンコーティング:10〜15万円程:10〜20年
■ウレタンコーティング:5〜15万円程度/3〜10年

価格や耐久年数ではウレタンコーティングが最も低いのですが、この低さは手軽に施工が依頼できるということでもあります。フロアコーティングがどのようなものかを知るために、まずは試してみたいというのであればウレタンのフロアコーティングから始めてみるのもよい方法です。

フロアコーティングを行った床のケア

■水分は早めに拭き取る
多くのフロアコーティングは水に対して耐性を持っていますが、長期間水に触れているとコーティング内部に水分が入り込んで床を痛めてしまうことがあります。定期的にかたくしぼった雑巾やモップで水分を吹ききるようにしましょう。

■施工後硬化するまでは水や薬品を落とさない
フロアコーティングを行った後の床面はデリケート。完全に塗膜が硬化するまでは水拭きや薬品を使った清掃は厳禁です。硬化するまでの時間はコーティングによって異なるので施工業者に確認しておきましょう。

■塩素系の薬品や掃除機の使用に注意
お掃除の際に塩素系の素材を使ってよいのはUVコーティングのみです。また、ウレタンコーティングやシリコンコーティングなど比較的柔らかいコーティングの場合は、掃除機をかけると表面が傷つき劣化してしまうことがあるのでできれば使用しないように心がけましょう。

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まとめ

最長で30年以上という長い間床を守ってくれるフロアコーティング。
せっかくお気に入りの住まいを新築&リフォームをしたのであれば、その美しい見た目を長く保ちたいというのは誰しもが思うことではないでしょうか。
ナサホームでも、リフォームに併せて床面のフロアコーティングのご依頼を承っておりますのでぜひご相談ください。