天井の染みは原因から対処。天井の染みのリノベーション方法

もしご自宅の天井に染みを見つけたらどうしますか。いつできたのか、修理するならいくら必要か、不安になられる方が多いでしょう。 天井に染みができていたら、なるべく早く対処することをおすすめします。今回は、天井の染みの原因とリノベーション方法について掘り下げてみます。


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その天井の染み、どんな理由でできたの?


天井に染みを発見したら、まずは原因を突き止めましょう。原因に応じて正しく対処しないと被害が拡大するため、原因解明は重要な作業です。

天井の染みの原因は?

天井の染みは発生場所や特徴によって、ある程度原因を推測できます。

■雨漏り
屋根のすぐ下の天井にジワッと水分が広がったような染みがある場合、雨漏りが原因と考えられます。屋根材がずれると隙間ができ、天井裏に雨水が侵入します。また、防水コートなどの塗装が剥がれて雨漏りすることもあります。雨水の浸入、浸出箇所が複数あることも多く、それを探し当て、修理をするのは経験豊富な専門スタッフでないと難しいでしょう。

■ラミネート天井(化粧合板)の接着剤
ラミネート天井とは木目を印刷したシートを貼った天井板のことで、化粧合板の一種です。時間が経つと、シートの接着剤が表面に染みとして浮かび上がってくることがあります。直線状に染みが現れるのが特徴です。

■害獣の糞尿
ガサッ、ゴソッと物音が聞こえたり悪臭がしたりすると、天井裏に動物が棲みついているのかもしれせん。
ネズミやコウモリなどの小動物、いわゆる害獣は、同じ場所に糞尿をし続ける習性があり、それが天井に染みができる原因となります。

■天井裏の結露
黒い染みなら結露を疑ってみましょう。結露と言えば窓ガラスが水滴で曇っているのをイメージする方が多いかもしれません。天井裏の断熱性が足りない場合にも結露が発生します。断熱処理をしっかりと行い、天井裏の換気を良くすることが大切です。

■配管や水廻り設備の水漏れ
配管の劣化や水廻り設備の詰まりによる水漏れも、天井に染みを引き起こします。マンションや一戸建ての上階に水廻り設備がある場合、上階からの水漏れが疑われます。老朽化だけでなく地震や凍結など、自然の影響によっても水漏れは起こります。

天井の染みが見つかった時にまず、すべきことは?

天井に染みを発見したら、直ちに次のことを実行しましょう。

■室内の風通しを良くする
天井に染みを見つけたら、まずは換気を心がけましょう。雨漏りや水漏れ、結露が原因ならカビの繁殖や建材の劣化を防ぐのです。
■天井裏を確認する
天井裏が確認できれば、懐中電灯やスマホを用意。水が漏れていないか、木が濡れてカビが生えていないか、さらに害獣の糞尿が原因なら臭いがしますし、糞が落ちていないかを確認しましょう。
水漏れ箇所や糞が落ちていたらその形状を写真に撮っておきます。原因がわかれば専門業者への補修依頼がスムーズに運びます。
天井裏の点検口がない、マンションなので配管が確認できないといった場合はすぐに専門業者に調査を依頼することをおすすめします。

天井の染みを放置すると……

染みが小さく目立たないうちは気に留めないかもしれませんが、放置すると次のような深刻な状況になる恐れがあります。
・カビによるアレルギーやシックハウス症候群などの健康被害に発展する。
・シロアリが繁殖する。
・柱や壁内部の木材が腐敗し家の耐久性が低下。家の資産価値も下がる。
・しみ込んだ雨水が電気の配線やブレーカーに達し、停電や家電の故障を招く。

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原因に合わせて対処を考えよう


天井の染みは原因によって対処方法がそれぞれ異なります。原因を正確に把握することから始めましょう。

まずはプロによる診断を受けよう

染みの原因が自分でわかったとしてもやはり専門業者に天井裏の調査を依頼し、染みの原因を特定してもらいましょう。目視だけでなく、散水検査や紫外線投射発光調査といった専門的な調査により、原因と問題が起きている箇所をきちんと調べてもらいます。

天井の染みの補修方法

原因を特定できたら、それに応じた処置が必要です。

■雨漏りの場合
原因となっている屋根や外壁の不具合を直し、天井裏や外壁の断熱材の交換をします。

■結露で木材が腐食している場合
天井裏や壁内の木材が腐食している場合は、その箇所を新しい木材に取り替える修繕を行います。また、シロアリが繁殖しているかどうかの確認も必要です。

■害獣の糞尿の場合
害獣を駆除し、害獣の侵入口を塞ぐ工事を行います。同時に糞尿なども処理して、天井裏をきれいにします。

■水漏れの場合
水漏れしている給排水管の場所を特定し、補修します。配管の劣化が激しく、補修しても水漏れが止まらない、または他にも水漏れの心配がある場合は配管自体を取り替えます。

染みができてしまった天井材を交換・修理する

天井にできた染みやカビを消すことは困難です。漂白剤で消す方法がありますが、天井に柄やデザインが入っていると利用できません。専門業者に依頼してリノベーションで天井材を一新しましょう。

■クロスの張り替え
低価格で作業が比較的簡単です。天井にクロスが張られている場合は既存のものを剥がし、板材や石膏ボードの上に新しいクロスを張ります。クロスにはビニールクロス、織物クロス、紙クロスなどの種類があります。
・ビニールクロス
塩化ビニール樹脂などを紙に裏打ちしたもの。デザイン、色、機能が豊富でリーズナブルですが、部分補修は難しいです。
・織物クロス
絹、麻などの自然素材で作られたもの。丈夫で破れにくく、遮音や断熱に優れていますが、汚れが落ちにくく耐火性能は低いです。
・紙クロス
再生パルプなどを原料に紙で作られたもの。自然素材でデザインが豊富ですが、汚れが落ちにくく、キズに弱いです。

■塗装

天井に直接塗料を塗る、もしくはクロスの上から塗布する方法があります。手軽に塗装できるエマルションペイントのほかに、漆喰や珪藻土などの自然塗料があります。
・エマルションペイント
いわゆるペンキのことで、塗装によく使われます。リーズナブルで施工が簡単ですが、化学物質を含んでいます。

・漆喰
日本の伝統的な塗壁材で、消石灰に砂や糊を混ぜたもの。調湿機能、防カビ効果があり、耐火・抗菌などの機能もあります。ただ、ヒビが入りやすく、高価で施工に手間がかかります。
・珪藻土
藻の化石から作られた塗り材。調湿性に優れ、耐火性や脱臭効果が期待できますが、染みになりやすく、粉がポロポロと落ちてしまうことがあります。

■板張りの交換
天井に木材を張るリフォームで、あたたかみのある部屋に仕上がります。素材には無垢材や天然木化粧板、化粧合板などがあります。
・無垢材
天然木の風合いが特徴の一枚板。断熱性と調湿性能に優れていますが、キズが付きやすく、湿度により歪むことがあります。
・天然木化粧板
合板木材の表面に天然木を薄く削って貼り付けたもの。無垢材より歪みにくく、天然木の風合いも楽しめます。ただ、キズが付きやすく、表面が剥がれやすいです。
・化粧合板
木目をプリントしたシートを合板の表面に貼り付けたもの。リーズナブルで掃除がしやすく、施工が簡単です。

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天井の染みを補修する場合の費用は?


天井をリノベーションする方法は、クロスの張り替えや塗装、板張りなどがあります。 できるだけ定期的に点検を行い、台風や大雨、大雪など天候が荒れた後などは被害がないかチェックしておくのも大切です。

天井の染みのリノベーションにかかる費用

補修方法別に費用の相場と工期の目安を見てみましょう。

・クロスの張り替え
費用:1mあたり1,500円〜
工期:1日~2日

・塗装
費用:1㎡あたり1.2万円~
工期:半日~4日

・板張りの交換
費用:5万円前後
工期:1日~3日

腐食した天井の修復にかかる費用は、5万~10万円前後が相場となります。天井の穴や破損部分の補修費は穴が小さければ1.5万~5万円程度ですが、大きいと10万円前後と倍になる場合があります。
また、天井の断熱リフォームには15万~35万円ほどかかりますが、助成金を受けられる場合があるので確認しておきましょう。

天井をリノベーションする際の注意点

天井をリノベーションする部屋は使用できませんから、工事中は生活に支障が出ないよう事前に必要なものを移動するなどの準備が必要です。
また、マンションでは天井のリノベーション工事が認められていないことがあります。必ず事前に管理規約を確認しましょう。

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まとめ

天井の染みに気づいたら、すぐに対処しましょう。きちんと原因を探れば大事に至らない場合もあります。心配な方は思い悩まず、一度ナサホームにご相談ください。安心して暮らせる住まいづくりをご提案いたします。