狭いトイレを改善するリフォームアドバイス

毎日使うトイレは、快適で清潔な場所にしておきたいものです。特に高齢のご家族様がいらっしゃる家庭などでは、気持ちよく使えるようにできるだけ広いスペースを確保しておきたいものです。 今回は限られたトイレのスペースを広く、快適にするためのリフォーム方法についてご紹介してまいります。トイレ製品の変更から、車椅子などの利用を想定した間取りの変更まで、暮らしのスタイルに合わせた方法をご案内しますのでぜひ参考としてご確認ください。


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狭いトイレはリフォームできる?


トイレのリフォームを考える前に、まずは快適なトイレ空間の実現に必要な広さや設備について確認してみましょう。

トイレの空間に必要なスペースとは?

■最低限必要な広さ
トイレの空間として最低限必要となるスペースは幅80cm×奥行き120cm。坪数に直すと約0.4坪ほど。特に立ち座りの際に壁にぶつからないように、便器と壁の間には50cm以上の間隔が必要です。この0.4坪ほどのトイレは賃貸マンションなどに多いサイズとなっています。

■ゆとりが生まれる広さ
一方で戸建などややスペースに余裕がある場合は、幅80cm×奥行き160cmの0.5坪ほどを確保できると、快適なトイレをつくることができます。

■車椅子やバリアフリーを考えた場合の広さ
ご高齢の方がいらっしゃるご家庭や室内で車椅子などを利用される場合はさらに広い約0.75坪ほど(幅120cm以上×奥行き160cm)のスペースが必要です。また、ご自身でトイレができない方を介助される場合は、1坪以上のスペースが必要です。こうしたバリアフリーを考慮したトイレをリフォーム実現する場合は、多くの場合設備の変更ではなく間取りそのものの変更が必要となってきます。

狭いトイレをできるだけ広く使う工夫とは?

0.4坪ほどのトイレでも、スペースを変更することなく設備を変更することで広く使うことは可能です。

■コンパクトなトイレを選ぶ
近年では、便器やタンクがスリム化された製品も数多く登場していますので、こうした製品を選ぶとスペースに余裕ができます。0.4坪ほどの空間であれば便器とタンクのサイズは幅48cm×奥行き75cm以下のサイズがおすすめ。
また、便器の後ろにタンクを設けない、「タンクレストイレ」を選ぶと、さらに空間を有効活用できます。このタンクレスのトイレはお掃除もしやすいのも特長です。

■内装を工夫する
トイレを狭くしている原因のひとつが、清掃用品やトイレットペーパーのストックなどの品々。便器の周りにこうしたものが散在していると、見た目も良くないものです。収納一体型のトイレや、壁のやや高い位置に収納のための棚などを造作すると、すっきりとしたトイレが出来上がります。

また、気分的な問題ではありますが壁紙の色や照明が暗いと、トイレが狭く感じてしまいます。壁紙を明るい色に変えたり、照明も明るいものに替えるだけでも、トイレの中を広く感じることができますよ。

■ドアを変更する
狭いトイレで、出入りがスムーズにできないという場合は、ドアを工夫することで空間を広く使うことができる場合もあります。出入りしにくいトイレは高齢の方が出入りの際につまづいたり、足をぶつけるなどの危険があるだけでなく、中で体調が悪くなった場合などに救出が遅れてしまうこともあるのです。
特に現在のトイレが内開きの場合は、外開きのドアや引き戸に変更することで、出入りがしやすくなります。

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間取りも変更してトイレを広くリフォームする場合


高齢の方や車椅子の方が快適に使えるトイレを実現する場合は、設備などの変更だけでは十分でないことも多く、間取り自体の変更が必要となる場合もあります。

トイレの間取りを広くする場合

住まいの間取りを変更してトイレのスペースを確保する場合、壁を壊す、トイレとなる部屋の位置を変えるなどの大がかりなリフォームが必要となりますが、以下のような場合であれば、比較的スムーズにリフォームができます。

■トイレの外に洗面所がある場合
トイレに続く部屋に洗面所がある場合は、これを一体化させて洗い場のあるトイレにすることでスペースを確保することができます。

■隣室にクローゼットや押し入れがある場合
トイレの周辺に押し入れや納戸などのスペースがある場合も、これをトイレのスペースに加えることで、ゆとりある空間をつくことができます。

トイレの場所を移動する際は慎重に検討しよう

トイレの周辺に拡張しやすいスペースがない場合はトイレの位置を移動するという方法もあります。しかしこの場合は、便器の交換や床の張替えだけでなく、給排水管の移動が必要になります。特に給排水管は取り付けの際の勾配などが厳格に定めらえているほか、他の水回りの排水管とは独立させなければならないため、大がかりな工事が必要となり時間とコストがかかってしまいます。

トイレの移動を検討する際は、慎重にリフォーム会社と検討し、他の水回りや居室のリフォームの際に合わせて行うなど、リフォームのタイミングも見極める必要があります。

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トイレリフォーム事例&コストの紹介


これまでナサホームでは、お客様のご要望を伺いながら、数々のトイレリフォームを手がけてまいりました。こちらではその事例と、リフォームにかかるおおよその費用についてご紹介します。

ナサホームのトイレリフォーム施工事例

■扉をバリアフリー仕様にして開閉が楽に行えるトイレ

ご家族様の将来の使いやすさを考慮して、トイレのドアを開き戸から折れ戸に交換した事例です。立ち位置を変えずに軽い力で開閉でき、万一車椅子を利用した際にも快適に利用できる空間となりました。

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■ブラケット照明を付けたシンプルなトイレ

壁にブラケット照明をつけるとともに空間はホワイトを基調とした色味で統一し、広々と感じられるよう施工を行いました。トイレの設備もタンクレスのものを選び少しでも圧迫感のないようにと配慮しています。

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トイレリフォームの費用と期間はどのくらい?

■間取りを変更せず、設備や内装を変更する場合
トイレのタンクや便器・内装のみを変更する場合、便器交換と内装工事を全て行なった場合の費用は15〜35万円程度(トイレの設備のグレードで費用は大きく変化します)。タンクと便器の交換だけであれば5〜25万円程度、トイレの内装工事であれば壁紙の張り替えで3~5万円、床材の変更であれば1〜6万円程度となります。
■トイレの間取りを変更する場合
トイレの間取りを変更する場合は大がかりな工事が必要となります。
給排水管やダクト、電気配線が必要な場合は20万円程度の費用がかかり、加えてトイレの交換・内装費用が必要となるため、50万円〜の費用が必要です。なお、壁の撤去や空間の拡張が必要な場合は、状況によって費用が大きく異なるため、まずは現状確認と見積もりの算出が必要となります。

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まとめ

設備の交換で手頃にできるリフォームから、将来を見据えて大がかりの行う間取り変更まで、一言で狭いトイレのリフォームといっても、その方法はご家族様の暮らしやご要望によって大きく異なります。
こうしたご要望を叶え、快適なトイレ空間をつくるためには、まずリフォーム会社とのしっかりとした打ち合わせが不可欠。
これまで数多くのトイレリフォーム、バリアフリーリフォームを手がけてきたナサホームであれば、皆様の思いを汲み取りながら最適なトイレリフォームプランを提案することが可能です。ぜひご相談ください。