住まいの寒さは床下から? 床下断熱リフォームで快適な住まいへ!

寒い季節が来ると「床が冷たくて足腰が冷える~」「廊下が寒くて歩くのがイヤ…」「暖房をつけても部屋がなかなか暖まらない!」などといった悩みは誰にもあることでしょう。 こうした底冷えは『床下断熱リフォーム』で改善できます。この記事では床下の断熱施工に関する基礎的な知識や効果などをまとめてご紹介します。


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なぜ床下の断熱が必要なのか?

床下は建物の中で地面に最も近く、地盤の温度や湿度の影響をもろに受けています。だから床下の断熱が、快適な住居づくりに有効なのです。

床下断熱の必要性、その理由は?

底冷えを防いで暖かく過ごすためにも、床下の断熱対策をおすすめします。

■床からの冷気侵入を防ぐ
住宅で多く使われている合板フローリングは断熱性能が弱いので、床が冷えやすくなります。床下に断熱材を施工すると、冷気が侵入するのを抑えられます。

■隙間風の侵入を抑える
古い家は床の隙間から冷たい風が室内に入ってきやすい構造が多いようです。また、冷たい空気は下にたまりやすので室温を下げる原因となります。これが底冷えの理由。床下への断熱対策を行うことで、隙間風による室温の低下を抑えることができるのです。

「床下断熱」と「基礎断熱」

床下を断熱する方法は大きく2つ「床下断熱」と「基礎断熱」に分かれています。

■「床下断熱」と、そのメリット&デメリット
床下断熱は、床材の裏や大引きや根太(床を張るために必要となる下地材)の間に断熱材を入れ、床下空間からの冷気を防ぐ施工方法です。一般に床断熱といえばほとんどがこの方法です。
・メリット
基礎や巾木コンクリートはそのままなので施工費用が比較的安く、施工技術も安定していること、床のすぐ下から断熱するので、冬の床の冷たさに効果が期待できます。また、床下のカビ、ひび割れ、シロアリも発見が容易です。
・デメリット
配管周辺などに丁寧な施工が必要で、床下の換気量を十分に確保しないと、特に夏場に結露が起きやすいことなどです。

■「基礎断熱」と、そのメリット&デメリット
基礎断熱は、基礎コンクリートの全体に直接断熱材を貼り付けて覆います。床下と室内の温度がほぼ同じになるので蓄熱効果が高くなります。特に寒冷地で適している方法といえます。
・メリット
建物全体を覆うので断熱効果が高い、床下エアコンが設置できます。床下の結露が起きる心配がなく、浴室などでも施工できます。
・デメリット
リフォームでの設置が難しく、工事が大がかりなので施工費用が高くなります。さらに光熱費が上昇する場合や、シロアリなどが発見しづらいリスクもあるのです。

リフォームで床下断熱するとこんな効果が!

床下断熱で得られる効果について、具体的にご紹介します。

■冬も夏も、年中快適に
床下断熱は外気の影響を受けにくいので、寒い時期は足下から伝わる底冷えを防ぎます。夏の時期は室内に熱が入るのを防ぎ、年中快適に過ごせる環境に。

■冷暖房の効きが良くなる
床下断熱を行うと室内の気密性が高まるので、エアコンなど冷暖房の効きが良くなります。

■環境配慮、エコに貢献できる
住居を高気密高断熱にすると冷暖房の使用が少なくなり、消費電力が軽減される省エネ効果で、環境配慮につながります。

■床下断熱は、実際にどれだけ寒さを和らげるのか? 
(※Panasonic調べ)
・床の温度が約8℃上昇
床下断熱にすると暖房の効率が上がり、床の温度が約8℃上昇しました。床が温かいと足下の冷たさを感じにくくなり、快適に過ごすことができます。
・暖房で部屋が暖まる時間が速い
床下断熱にすると、暖房をつけてから室温が20℃に達するまでの時間が約3分の1に短縮されました。

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床断熱はリフォームで手軽に実現できます!


「床下断熱」の施工方法や断熱材の種類を簡単にご紹介します。

床下断熱の施工方法

床下断熱の施工方法は一般的に次の3つです。

■床下に断熱材を施工(根太間断熱・大引き間断熱)
床(大引きや根太間)に、床下からボードやマット状の断熱材を充填する方法です。

■床下から断熱材を吹付け
特殊な発泡機械(スプレーガン)を用いてウレタンフォームなどの断熱材を吹き付けます。

■断熱リフォーム+床の張替え
床全体の張替えと断熱リフォームを同時に施工すると効率的です。床をはがし、室内側から根太間や大引きにボード状の断熱材を充填します。

断熱材の種類と選ぶ時の注意点

断熱材は、素材によって特性や価格も違いがあります。プロと相談して適切な断熱性能になるものを選びましょう。

■硬質ウレタンフォーム
均一なプラスチック発泡体で、断熱性能が高く衝撃に強い特性があります。グラスウールなどの無機繊維系に比べると高価です。

■押出法ポリスチレンフォーム
ポリスチレン樹脂に燃えにくい難燃剤を混ぜ合わせボード状に成形したものです。断熱性能が高く、吸湿もしにくく耐圧力があります。施工も手軽です。

■グラスウール
ガラス繊維を綿状の素材にしたもので価格も安く施工性が高く、耐久性、耐火性、防音性に優れています。

■ロックウール
人造鉱物繊維で、耐久性、耐火性、防音性に優れるなどグラスウールと特性が似ています。グラスウールに比べると価格は高めです。

■セルロースファイバー
段ボールなど古紙が原材料です。隙間なく施工でき、調湿性、吸音性に優れるなどのメリットがあります。

■ウール
羊毛を使用した断熱材なので、アレルギーの心配が少なく、調湿、防音効果があります。また、劣化しにくい特性もあります。

■インシュレーションボード
間伐材などの木質素材をボード状に成形したものです。木材ならではの調湿性、消臭効果が人気で、エコの面からも注目されています。

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リフォームにかかる費用や工期は?


床下断熱のリフォームにかかる費用と工期の相場をご紹介します。

床下断熱リフォームの費用と工期

■床下に断熱材を施工(根太間断熱・大引き間断熱)
既存の床はそのままで廃材もあまり出ないので、費用は20坪で20~30万円が相場です。床下から断熱材を取り付けるので工期も短く、約1日ほどです。

■断熱リフォーム+床の張替え
床の張替えと同時に床下断熱を行う場合は、床のリフォーム費用が加わるので20坪で70~120万円はかかります。また、床材の撤去や復帰の作業があり、工期は1日〜3日程度。仮住まいが必要になることもあります。

床下断熱はDIYで行わない方が良い

床下断熱はDIY(素人工事)のリフォームはあまりオススメできません。
その理由は……
■とにかく手間がかかる
施工をする際には床を剥がしたり、基礎の隙間から潜り込むこともあります。断熱材は隙間ができないよう均等に敷き詰めないといけません。素材によっては防湿シートなどを使って湿気対策も必要です。

■専門知識と技術が不可欠
土台から床への配管・配線の部分や、床下の構造に高低差がある場合などは気密処理にも十分な注意が必要です。床下換気を行って除湿しないと結露やカビが発生することも。特に基礎部分については専門的な知識や施工技術が不可欠になります。

■時間を取られる
時間もかなりかかります。天候によって左右されるケースもあり、週末のDIYだけでは完成しないことも十分にありえます。

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まとめ

床下断熱リフォームは「絶対に信頼できるプロに任せるべき!」ことがおわかりいただけたと思います。
ホームページなどで実際のリフォーム事例や評判なども考慮して業者を選択しましょう。見積もりは、使用する断熱材や施工内容にも着目、もちろんアフターサービス体制も要チェックです。
判断に迷ったら、ぜひ「ナサホーム」へお気軽にご相談ください。お待ちしています。