収納力UPの切り札。屋根裏収納のリフォーム方法

家族が暮らす時間と共に、どうしてもモノは増えます。その増えたモノを整理できる収納スペースの確保は、快適な暮らしには大切な条件です。 とはいえ新たに収納スペースを確保するのは頭の痛い問題……。ところがそんな悩みも、「屋根裏収納」のリフォームで解決できるかもしれません。 今回の記事では、尾根裏を新たな収納スペースにするリフォームのポイントや注意点などを詳しく紹介いたします。


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収納スペースを増やすなら屋根裏を活用しよう


屋根裏収納は、屋根と天井の間の空間、いわゆる天井裏を収納として活用するものです。
そうお聞きになって「ロフト」を思い浮かべる方もおられるでしょう。ロフトは多くの場合、部屋を2層に分けた上部スペースのことで、書斎や子供の遊び場といった「部屋」的なイメージがあります。
建築基準法では、屋根裏収納もロフトも「小屋裏物置等」という同じ扱いとなりますが、今回は収納スペースの確保という観点から屋根裏収納について見ていきましょう。

屋根裏のリフォームはなぜ人気?

屋根裏に収納スペースを設けることは、間取りを変更したり、家を広げたりすることなく、収納量を増やすことができます。いわゆるデッドスペースの活用になるわけです。
利用できる空間が増えるのは大きな魅力であり、屋根裏リフォームの人気の理由になっています。しかし、注意したい点や収納に向き不向きなモノもあるのです。
■屋根裏収納のメリット
・クリスマスツリーや鯉のぼり、スキー板やテントといった収納にかさばるモノも問題なく収納できます。
・ロフトとは違い、見えませんので来客時でも安心。
・子どもの遊びスペースなど、アイデア次第で活用用途が広がるスペースでもあります。

屋根裏収納に向いているモノ
・特定の季節だけに使う雛人形、五月人形、クリスマスツリー等
・特定の季節だけに使う家電、扇風機、ファンヒーター等
・日用品のストック
・シーズンオフの衣類、布団
・子どもの作品等、家族の思い出の品
・ 使用頻度の低いキャリー等の大きなバッグ類

屋根裏収納のデメリット
・夏はかなり暑くなるので、気温の変化や湿気に弱いモノは避けましょう。
・ハシゴ等の上り下りや天井の低さにより、モノの出し入れにやや面倒臭さを感じるかもしれません。

◆屋根裏収納に不向きなモノ
・高温多湿厳禁の非常食を含む食品類、革製品のカバンや衣類、音楽や映像を記録したテープやDVD、TV・パソコン・カメラなどの精密機器等
・カセットコンロ、石油ファンヒーターや石油ストーブ
・出し入れが大変な大きくて重いモノ

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屋根裏の収納スペースの使い方&注意点


階下の室内とは違い、夏は高温多湿な空間です。使用できるスペースにするために、どのような使い方、リフォーム方法や設備が必要なのでしょうか。

屋根裏収納の使い方のポイント

・高さを活かした収納
高さ制限が1.4m以下と定められています。乱雑に置くのではなく、1.4m以下の高さにあった収納ボックスを積み重ねたり、ラックを置いたりして収納するのが効率的です。
・大きくて重いモノは持ち込まない
屋根裏の収納スペースへは、はしごを使って上り下りするケースが多く、大きくて重いモノは避けましょう。地震の際にも危険です。
・使う頻度で収納する場所を考える
家族の思い出の品やクリスマスツリー等の年に一度きりといった使用頻度の低いモノは奥へ、日用品等の使用頻度の高いモノは手前に置きます。

■屋根裏を収納スペースとしてリフォームするための方法
屋根裏を収納スペースにするためのリフォーム工事は次のような手順で進められるのが一般的です。
1.天井を開口する
2.屋根裏に登るはしごを設置
3.屋根裏の床を補強する床材を張る
4.壁や屋根を断熱材で囲う工事
5.出入りのための階段やウインチの設置
6.換気扇や照明、コンセントの設置
上記の1〜3は基本工事で、4〜6はオプション工事となります。

・増し床工事
屋根裏にある屋根を支える柱を取り除き、空間を広げるリフォーム方法もあります。

・はしごの種類
収納式はしご:普段は天井裏に収納しておき、屋根裏へ上がる時だけ引き出します。廊下など幅が狭い場所にも設置できます。
可動式はしご:ロフトに使用する場合が多く、使わない時は壁に掛けておきます。
固定階段:収納式ハシゴのように出し入れする必要がなく、両手でモノが運べますし、簡単に上れるのでモノの出し入れに便利です。

屋根裏の暑さや湿気、どう対処する?

・高温多湿の屋根裏
そもそも屋根裏の役割は、屋根と天井の間に空間を作ることで、外気の熱や音を屋内に伝わるのを抑えます。
そのため夏場は高温多湿になってしまい、40度以上のサウナ状態に。この状況で長時間、収納作業するのは難しくなるので、屋根の裏面や床、壁面を断熱材で囲ったり、屋根には断熱塗料を塗布したりすることをおすすめします。

・換気扇をつける
屋根裏の内部にこもった熱や湿気を外へ排出する換気扇を設置し、収納物の傷みを防ぎたいものです。24時間換気システムやタイマーで稼働するものもあります。

施工前に税金や法律についてチェックしておこう

・固定資産税が増えることも
屋根裏収納には建築基準法で次のような規定があります。
1.床から天井までの高さが1.4m以下
2.面積が下の階の1/2未満

前述した増し床工事でも、この条件を超えると、収納ではなく部屋、階層として見なされ固定資産税に加算されることがあります。
・建築基準法や地域の条例も確認しておく
先の2つの規定を満たしても屋根裏にかかる重さを支えるための構造強化が必要になる場合など、屋根裏のリフォームには地域によって様々な条例、制約があります。

□直接外部に出入りできるバルコニーや窓、ドア等を付けることはできない。
□屋根裏部屋に設置する窓すべての合計面積は屋根裏部屋の床面積の1/20未満。
□固定階段には手すりの設置が必要。
□固定式のはしごは認めらない。
□エアコンのような空調設備を設置してはいけない。

経験豊富なリフォーム会社とよく相談しましょう。

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屋根裏の収納リフォームにかかる費用とは?


屋根裏に収納スペースを作る際の費用相場を見てみましょう。

屋根裏の収納リフォームの費用

■広さ6〜10畳の場合
・基本工事(天井の開口、はしごの設置、床補強)
20万〜30万円
・オプション工事
断熱工事 40万~60万円
照明・コンセント設置 5万~6万円
窓(内窓)取付け 4万~6万円
換気扇取付け 2万~6万円
合計(基礎工事+オプション工事)65万〜95万円
・工期 5~10日

屋根裏収納に付随するその他のオプション
・24時間換気システム設置 8万~10万円
・固定階段設置 35万~55万円
・手すり取付け 3万~5万円
・電動ウインチ設置 30万~40万円
・約3畳の増し床工事 12万~15万円
・約6畳の増し床工事 18万~20万円

ナサホームの施工事例

■屋根裏に収納スペースを造作

新築の建築予定時にはロフトになる予定を、屋根裏収納スペースに造作しました。
階段も折りたたみや取り出しが簡単な「はしごユニット」を採用。模様替えした洋服などもタップリ入ります!

この施工事例の詳細はこちら

■屋根裏収納を改装し、窓のある明るい空間

納戸として使用していた屋根裏を改装しました。
窓からの光が差し込む明るい空間へ。
抜けない柱も木の温もりを感じ、デザイン性を感じるおしゃれな印象に。
衣類なども美しく収納が出来るようになりました。

この施工事例の詳細はこちら

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まとめ

収納スペースが増えると、置き場に困っていたモノをすっきりと片付けることができ、それだけ暮らしの快適性が増します。デッドスペースの活用としても屋根裏の収納スペースを検討されてみてはいかがでしょうか。ナサホームでは現在のお住まいの状況を確認しながら、最適な屋根裏収納リフォームのプランをご提案させていただきます。ぜひご相談ください。