押入れの戸は、襖(ふすま)より引き戸が便利!?

押入れの建て付けが悪くなって開け閉めがしにくい……とは、年数を重ねていくと押入れにはよくある困り事です。一方で、ライフスタイルの変化に合わせて、和室を洋室に、押入れをクローゼットに変えてみたい、お部屋の雰囲気を洋風にイメージチェンジしたい、などとお考えの方も少なくないと思います。そこで本記事では、押入れの襖を引き戸にリフォームする際のポイントをご紹介させていただきます。  


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どちらが便利? 襖(ふすま)と引き戸


ちょっとした不注意で穴が開いたり破れたり、日光で日焼けして色褪せたり、滑りにくく開け閉めしにくくなったりと、襖はなかなかデリケート。補修してそのまま使うのか、いっそのこと引き戸に取り替えるのか、その両方を検討してみましょう。

押入れの襖と上手に付き合うには?

■襖紙の破れ
襖が破れても紙が残っていれば部分補修は可能です。小さな穴なら襖用の補修シールを貼る手もあります。でも穴が大きくなると襖紙全体を張り替える修理が必要になります。

■襖の建付け
襖の滑りが悪くなるのは、開け閉めを繰り返して敷居がすり減ってくるのも一つの因です。この場合は滑りをよくするテープを敷居に貼ると改善できます。
また、鴨居が歪んだり下がったりすることで動きが悪くなるケースもあります。木製の鴨居は湿度によって形が変化しますし、周囲の梁や壁が下がると鴨居も下がるため、襖を動かしづらくなります。対処法としては鴨居部分か襖の上部をカンナなどで削ると、うまく動くようになるでしょう。
さらに、襖枠そのものがゆがんで反り返ったり、襖の枠が破損して建付けが悪くなっていることもあります。こうなると修理よりも取り替えの方が合理的と言えます。

押入れの襖を引き戸にすれば

和室ならではの押入れは収納性にすぐれています。特に一間(約180cm)幅で天袋付きなら収納力は抜群です。
建具を襖から引き戸に取り替えるとどうなるでしょうか。収納スペースを効率的に使えるうえ、部屋の見た目もスマートに変わります。これはおすすめのリフォームといえます。

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押入れの引き戸リフォーム&それ以外の押入れのリフォーム方法


戸にもいろいろなタイプがあります。まず、それぞれのメリット&デメリットを知って、最適なものを選びましょう。手軽にお部屋のイメージを変えるアイデアもご紹介します。

押入れの襖を引き戸や折れ戸に変更

戸には大きく3つのタイプがあります。「開き戸」「折れ戸」「引き戸」です。それぞれの特長と選ぶ際の注意点をご紹介します。

■開き戸
開き戸には「両開き戸(観音開き)」と「片開き戸」があります。どちらも全開できるので、押入れの中が端まで見渡せるのが良いところです。
扉の幅は半間間口の押入れで両開き戸にすると約45cm、片開き戸なら約90cmですが、部屋の手前側に扉を開ける空間が必要です。その部分には物が置けずデッドスペースになってしまうのが残念なところです。

■折れ戸
折れ戸タイプは、扉を開けると二つ折りになるので、開き戸ほど手前側のスペースがいりません。上吊り式なら床のレールが不要なので、すっきりとお掃除もしやすくなります。
ただし扉は折りたたむと約10cm程度の厚さになります。2枚開きなら左右で約20cmです。その分、間口が狭くなることは覚えておきましょう。
また、端のほうが見えにくかったり、出し入れしずらいということもあります。

■引き戸
引き戸には、引違い戸と片引き戸があります。どちらも扉を開けるための手前側のスペースが不要なのが良いところです。車椅子を使っている方も開閉しやすいので、バリアフリー対策にも有効です。
引違い戸は通常2枚扉で、左右どちらからでも開けることができます。ただし、間口の半分しか開けられないのでフルオープンにはなりません。3枚扉の連動型引違い戸にすると、2/3を開口スペースにできます。
押入れの左右どちらかにスペースがある場合は1枚扉の片引き戸にして全開することもできます。
また、引き戸は、襖の扉枠をそのまま活かせる場合もあるので、費用を抑えることもできます。

押入れの中をフローリングなどの部屋に変更

押入れの襖を洋風の戸に変えるなら、クローゼットとして使うだけでなく、お部屋と一続きのスペースにしてしまうのもいいでしょう。
床をフローリングにして、押入れの中段を外し、天袋までの高さも活かしてみましょう。パソコンデスクを置いてちょっとしたワーキングスペースにしたり、趣味のコーナーにしたりという楽しさも生まれます。

押入れの襖をアコーディオンドアに変更

手軽にお部屋の雰囲気を変えたいのなら、アコーディオンドアもおすすめです。
襖を外して天井や鴨居にレールを取り付け、木枠はそのまま残して枠の中に納めます。大掛かりな工事がないので、費用もそれほどかからずにイメージチェンジができます。

ロールスクリーンやカーテンに変更

アコーディオンドア同様にロールスクリーン、ロールカーテンも手軽です。
襖を外して鴨居に部品を取り付けるだけの工事でお部屋のイメージが一新できます。
襖と違い開口部をフルオープンにできるので、中が見やすく出し入れも楽に。さらに湿気がこもりにくいので布団を収納するのにも適しています。

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押入れを快適な引き戸にするために必要な費用は?


押入れの襖を戸に変更するメリットをいくつかお話してまいりました。では、一体どれくらいの予算があればいいのかをまとめてみました。

押入れの引き戸リフォームにかかる費用

■片引き戸
半間程度の押入れの場合、左右どちらかの壁に引き戸が収まるスペースがあれば、片引き戸に交換できます。壁の外側に設置するアウトセットタイプなら、壁にレールを取り付ける簡単な工事で済むのでリフォーム費用もお手頃です。
〔アウトセットタイプの場合〕
・片引き戸本体(間口1,644mm):5万〜7万円
・室内養生費:5,000~1万円
・既存扉の撤去:5,000~1万円
・扉・レール・枠取り付け施工費:2万~3万円
総額:8万~12万円

■引違い2枚戸、連動式3枚タイプ
押入れの幅が半間以上の場合は、引違い2枚戸や連動式3枚タイプの引き戸にリフォームできます。
・引違い2枚戸(間口1,643mm):7万~10万円
・室内養生費:5,000~1万円
・既存扉の撤去:5,000~1万円
・扉・レール・枠取り付け施工費:2万~3万円
総額:8万~15万円

・連動式3枚引き戸(間口1,643mm):10万~15万円
・室内養生費:5,000~1万円
・既存扉の撤去:5,000~1万円
・扉・レール・枠取り付け施工費:2万~5万円
総額:13万~22万円

■押入れをクローゼットにリフォーム
押入れの襖を扉に変更し、さらにハンガーパイプ等を取り付けてクローゼット仕様にするなら、製品と工事込みで8万~20万円が相場です。
引き戸の場合は襖の扉枠を再利用できるので費用を抑えることができますが、折れ戸や開き戸にすると、やや費用は高額になります。もちろん棚を追加したり壁紙を替えたりすれば、その分がプラスとなります。
・棚の追加:2万〜5万円
・壁紙張り替え:2万〜5万円

ナサホームの施工事例

■『パナソニック リビエ』でエクセルライト柄の3枚シンクロ引き戸

和室の押入れと床の間があった部分に可動棚を設け、ドアは3枚シンクロ引戸で『パナソニック リビエ』エクセルライト柄を採用した例はこちらです。

この施工事例の詳細はこちら

■押入れだけでなく和室全体を洋室にリフォームするなら
和室を洋室にリフォームする際の費用や注意点のご紹介はこちら。マンションのリフォーム例もご覧いただけます。

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まとめ

押入れの襖を引き戸にリフォームするメリットや注意すべきポイントなどをご紹介しました。お部屋のスペースや収納の目的に合わせて、上手に押入れを活用していただければと思います。「どうしたらいいかな?」と思われたら、ぜひナサホームにご相談を。お気軽にお声掛けください。