防犯は窓から!侵入されにくい防犯ガラスへのリフォーム

警察庁の統計(『住まいる防犯110番』令和2年度)によると、「空き巣」の被害が一番多いのは一戸建て住宅で、件数は16,316件、その半数以上(53.5%)が窓から侵入されていたそうです。安心して暮らすためにはさまざまな防犯対策を考えておくことも必要です。そこで今回は、暮らしを守る「窓の防犯」について考えてみました。


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防犯ガラスの重要性


空き巣は住宅の一番弱そうな部分から侵入しようとします。その結果、狙われやすいのが「窓」のガラスなのです。

空き巣が狙う侵入経路は?

空き巣は窓やドアなどの出入り口を狙います。つまり外側から簡単に開けられそうなところを探すのです。
窓の状況や、周囲から目立たない死角となる場所など、泥棒に目を付けられるポイントはさまざま。1階だけでなく上階のベランダから侵入されるケースもあります。
侵入経路となる窓に気を配り、防犯ガラスや面格子などの対策をしっかりと見直しておきましょう。

空き巣は窓ガラスを破って侵入

空き巣が窓ガラスを割る手口として、よく知られているのは次の3種類です。

・こじ破り:三角割りとも呼ばれ、ドライバーを使って窓ガラスを小さく破り鍵を開けて侵入する方法です。
・打ち破り:バールやハンマーでガラスを叩き割って侵入します。
・焼き破り:ライターや携帯ガスバーナーの炎でガラスを熱し、水をかけて急激に冷やしガラスを割ります。

こうした方法でガラスを破り、空き巣が侵入しようとする時間は2分以内と言われます。つまり、窓ガラスを破るのに2分以上かかれば、大半の空き巣は侵入をあきらめることに。破りにくい防犯ガラスは侵入対策として効果的だと言えます。

侵入されにくい窓、防犯ガラスとは?

防犯ガラスは2枚のガラスの間に樹脂製のフィルムを何枚も挟み込み、耐貫通性能を高めた合わせガラスです。
バールやハンマーで2分以上叩いても割れずに耐える性能があります。ガラスと中のフィルムが圧着されているので、ガラスが割れても破片が落ちず小さな穴も開きません。
中間膜フィルムの枚数が多いほど、厚みが増すので耐貫通性能が高まります。より衝撃強度に優れたポリカーボネート板を使用した防犯性能の優れた製品もあります。
中にワイヤーが入っている「網入りガラス」は、火災の際に炎を防いだりガラスの破片が飛散したりするのを防ぐための「防火ガラス」。防犯ガラスではないので注意しましょう。

防犯ガラスを選ぶポイント

まず、「CPマーク」がついていることを確認しましょう。これは警察庁が防犯性能の高い製品として認定したもので、ガラス破りに対して5分間以上の耐貫通性能が確認されている製品です。
基本的には中間層が厚いほど防犯レベルは高くなります。一般住宅ではこじ破りや打ち破りにも強い「60milタイプ(ミル:1mil=約0.025㎜)」が主流です。90milタイプだと厚みの関係で取り付けが難しくなることもあります。
使う窓に合わせて、中間層の厚さや樹脂膜の種類、ガラスの種類などを専門業者と相談しながらお選びになることをおすすめします。

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防犯ガラスへの交換&面格子もおすすめ!


空き巣の侵入をあきらめさせる防犯ガラスへのリフォーム方法と、さらにもっと防犯効果を高める方法もご紹介します。

防犯ガラスへのリフォーム方法

防犯ガラスに取り換えるには、ガラスのみの交換や窓そのものの交換など、いくつかの方法があります。

■ガラスのみの交換
窓枠からサッシを外し、今使っているガラスを枠から取り外します。新しく入れる防犯ガラスをサッシにはめ込み取り付けた後、窓枠にはめ込めば工事完了の手軽さです。

■サッシごと交換(カバー工法)
ガラスのみの交換では対応できない場合や、サッシ自体が古くなっているときは、サッシごとの交換になります。
「カバー工法」は、現状の窓枠を残したまま、今ある窓枠の上に新たに窓を被せる方法です。窓ごとそっくり交換するよりも手間がかからず、比較的短時間に工事ができます。壁に傷をつけたくないマンションのようなRC構造の建物でもよく使われる工法です。

■窓枠ごと交換
窓の枠ごとそっくり入れ替える方法です。窓枠を取り外すために外壁を一部壊し、窓枠をはめて再補修する必要があり、交換にはかなり手間がかかります。大工、左官、塗装などを含めた大工事になることもあります。

■窓枠ごと交換(内付サッシを使用)
古い建物の木製の窓なら、内付サッシを使えば比較的簡単に入替え工事ができます。

さらなる窓の防犯対策となる面格子のおすすめ

窓を破られにくくする防犯ガラスとともに、空き巣の侵入を防ぐためにおすすめしたいのが窓に面格子をつけることです。
特に次の窓には注意が必要で面格子の設置が効果的です。

■浴室の窓
人目の少ない目立ちにくい場所にあることが多く注意が必要です。また、通気を考えたルーバー窓の場合は簡単にガラスを外せるので、空き巣に狙われやすいのです。

■トイレの窓
窓が小さいので油断しがちですが、消臭や換気のために開けたままにしていることも多いため、あえて侵入口に選ぶ空き巣もいるので要注意です。

■2階の窓
雨樋や周囲の木などを足場にして上階の窓に近づき、侵入するケースもあります。2階のトイレや通風用の小窓にも面格子をつけることをおすすめします。

■脱衣所の窓
湿気がこもりやすいので換気のために窓を開けることが多い場所です。浴室やトイレよりも窓が大きいことが多いので、防犯対策をお忘れなく。

■ドアのガラス窓
特に勝手口は家の裏側にあることが多く、人目にもつきにくいので、ガラスが入っているドアは注意が必要です。

面格子の設置方法と設置費用

面格子は通常、取り外しづらく防犯性が高い「壁付け」で設置します。工事は、取り付け場所を決め、壁に穴を開けてビスで面格子を固定します。
この方法の工事費用は4万~6万円が相場です。
壁に穴を開けたくない場合は、「枠付け(窓サッシに面格子を固定)」、「内付け(木の窓枠部分に面格子を固定)」という方法もあります。取り付け費用は業者によって違いますから、事前に見積をとり、よくご相談されることをおすすめします。
面格子の本体は種類や素材によって価格が異なるので、じっくりご検討ください。
・アルミ面格子:8,000~2.7万円
・ステンレス面格子:6万~10万円
・鋳物面格子:1.5万~8万円
・可動ルーバー面格子(ブラインドのように開閉できるタイプ):1.2万~7.5万円
・ひし形クロス面格子:9,000~2.8万円
・井桁面格子(正方形クロスのデザイン):1万~3万円

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防犯ガラスの設置費用&そのほかの防犯リフォームについて


防犯ガラスの価格相場と交換にかかる工事費用、その他の防犯リフォームについてご紹介しましょう。

防犯ガラス交換にかかる費用

防犯ガラスの製品価格はサイズ、中間膜の種類や厚さ、ガラスの種類、窓の場所などによって変わってきます。1階の窓を想定した目安です。

■代表的なメーカーの製品価格
・特殊中間膜の厚さ0.8mm(32ミル):15,800円(90㎝×90㎝)/31,600円(90㎝×180㎝)
・特殊中間膜の厚さ1.5mm(60ミル):18,600円(90㎝×90㎝)/37,200円(90㎝×180㎝)
・中間膜ポリカーボネート厚さ1.2mm(48ミル):53,300円(90㎝×90㎝)/106,500円(90㎝×180㎝)

■ガラスのみの交換(90㎝×180㎝の場合)
ガラス代:3万~12万円
施工費:2万~3万円
工期:1〜2時間
総額:5~14万円

■サッシごと交換(カバー工法)
サッシ代:7万~15万円
施工費:5万~8万円
工期:半日
総額:10万~20万円

■窓枠ごと交換
窓枠・サッシ代:15万~25万円
施工費:15万~25万円
工期:2日〜5日
総額:30万~50万円

■ナサホームで叶える住まいの防犯対策

空き巣の侵入経路を塞ぐ防犯リフォームのコツとポイントについては、こちらの記事でご案内しております。

防犯対策に有効な「人感センサー」。製品の基礎知識と、住まいの各所に人感センサーとスイッチを設置するための方法・費用についてはこちらをご覧ください。

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まとめ

空き巣対策に効果的な防犯ガラスを中心に、いろいろな対策について、特徴や工事方法、費用などをまとめてみました。
住まいの安心な暮らしや財産を守るために、防犯について普段から気を付けておきたいですね。ナサホームも皆様のご相談にしっかりとお応えしたいと思います。ぜひお気軽にお声掛けください。