換気も断熱も! 浴室の窓の役割&リフォーム方法について

「お風呂に窓がある」というのは戸建てならではの魅力かもしれません。この記事では浴室の窓の役割と、リフォームを考えるときに大切な換気と気密性の問題、さらにはヒートショック対策やプライバシー、防犯面なども含めてまとめてみました。


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浴室の快適さを左右する窓


お風呂は身体を洗うだけでなく、疲れを取り、癒しを生み出す役割もあります。浴室に窓があれば、より快適な気分が味わえます。

浴室の窓、3つのメリット

■自然の光が取り入れられる
朝や日中なら浴室の照明をつけなくても自然光が取り込めます。また冬場は、昼間、日光が差し込むと浴室が暖かくなるのもうれしいメリットです。

■風通しがよくなる
浴室の窓とドアを開けることで空気の入れ替えができます。風通しが良いとカビの発生が抑えられ浴室を清潔に保てます。換気扇を使わずに換気ができるので、電気代の節約につながるのもうれしいメリットです。

■リラックス効果が高まる
浴室は基本的には小さく密閉された空間です。そこへ窓を設けることで開放感が生まれます。外光や風を感じながらの入浴は、清々しい気分にしてくれます。

浴室窓は換気だけでなく、気密性や断熱の対策も大切

特に注意すべきは寒い冬場の対策です。窓は熱が逃げやすく、部屋の温度が下がる原因になっています。部屋の熱が流出する割合は、窓からが58%にも上ると言われます(資料:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)。
暖かいリビングから寒い浴室に移動し、熱い湯を浴びると寒暖差による血管の収縮と拡張の作用で身体に負担がかかります。これがいわゆる「ヒートショック」で、高齢者は特に気をつける必要があります。
健康の面からも、窓から熱が逃げることを防ぎ、浴室を暖かく保つのは大事なことなのです。

■浴室の防寒は窓の断熱で対策
アルミサッシは熱伝導率が高いので、室内の暖かい空気を外に逃がしてしまいがちです。そこで浴室の窓は熱を通しにくく寒さ対策に効果的な樹脂サッシに交換することをおすすめします。
さらに、窓ガラスを単層ガラスから複層ガラスに交換すると、断熱性を一層高めることができます。

■窓の気密性にも注目
浴室乾燥は気密性が高いほうが早く乾きます。浴室暖房も同様に効率よく室内を暖められます。窓を選ぶ際は気密性の高さもポイントです。

防犯対策も考えておきましょう

浴室は人がいないことも多いので、空き巣に窓を割られても音が聞こえにくい場合があります。また痴漢対策などを考えるのであれば、外部から入浴中のシルエットが見えてしまわないように、窓ガラスを防犯性の高いものにしたり、面格子を入れるといった方法を検討しましょう。

■防犯対策
空き巣は、浴室の窓ガラスを割り侵入するケースがよくあります。防犯対策として、窓の外に格子や目隠しルーバーを取り付けることをおすすめします。
窓自体を変えるなら、「内倒し窓」「上げ下げ窓」(後述)にすることで、防犯性を高めましょう。

■プライバシー対策
外からシルエットが見えないよう、窓は高めに設置するのが基本。手軽に目隠しをしたいときは窓用シール、ブラインド、カーテンの設置や、可動式のルーバーやセキュリティフィルターといった面格子を設けるのも効果的です。

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お風呂に付けられる窓の種類は? 断熱・換気対策は?


浴室の窓の種類、選ぶ際のポイントなどをご紹介します。

浴室に設置する窓の種類

■引き違い窓
2枚のガラス窓を左右にスライドして開閉する一般的なタイプです。
気密性が低い構造なので、寒冷地の場合は断熱効果を高めに樹脂サッシや複層ガラスにすると効果的です。

■縦すべり窓
窓枠の上下に設けられたレールに沿って、ドアのように開きます。
窓が90度回転するので外気を取り込みやすく、換気と気密性に優れています。窓が拭きやすく掃除のしやすい点もポイントです。
外開きのため、面格子や目隠しルーバーが付けられないので、防犯対策として窓幅を26cm程度の細めにすることをおすすめします。

■横すべり窓
窓枠の左右に設けられたレールに沿って、窓の下部を室外側に開くタイプです。
換気に優れ気密性の高い浴室窓です。窓を開ける角度が調整でき、雨の日でも開けられます。
外開きのため、縦すべり窓と同様の防犯対策が必要です。窓の高さを抑え横長にして、通常より上部に設置すると、侵入しにくくなります。

■内倒し窓
窓枠の下を軸に、窓の上部を室内側に倒して開く気密性の高い窓です。
ある程度の幅しか開かず侵入できないので防犯性に優れています。内開きなので、窓の外に格子や目隠しルーバーも取り付けられます。
反面、開閉スペースが狭いので窓の外側は拭きにくい、強い雨が降ると雨水が入る、つい開けたままで忘れがちになる、などの注意点はおさえておきましょう。

■上げ下げ窓
2枚のガラスが上下に動き、下の部分を上に持ち上げて開閉します。
気密性が高く、構造的に外から開けにくいので防犯性の高い窓です。
ただし上部の外側ガラスのお掃除がしにくいのが難点です。縦長窓なので浴室側にブラインドを設置するなどのプライバシー対策が必要になることも。

浴室の窓に施すことができる断熱対策

冬場の浴室の温度を保つために、窓から熱が逃げない対策を考えましょう。

■内窓の設置(カバー工法)
既存の窓を残して窓を2重にする「内窓設置」も手軽でおすすめです。窓と内窓の間にできる空気層で、断熱効果や結露防止効果を発揮します。
室内側に新しい窓を設置する内装リフォームなので施工がシンプル。壁を壊さないので解体工事の費用も節約でき、工事もスピーディーです。

■窓を小さくする
窓が大きいと明るく開放的になる一方、外気に触れる部分が多くなります。冬場の寒さ対策を重視するなら、窓を小さくして熱を逃がしにくくするのも一つの考え方です。

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浴室に断熱性や気密性に優れた窓を作るには、費用と工期はどのくらい?


リフォーム費用は、選定する部材のグレードや、窓のサイズ、現場状況などによってさまざまです。

浴室の窓リフォームにかかるコストと施工期間

■サッシ、ガラス交換や内窓設置の場合

簡単な交換作業なら施工は半日〜1日程度で済みます。内窓設置は現場状況によっては丸1日程度かかることもあります。
・樹脂サッシへの交換
サイズは変えず、サッシを断熱性の良いものに交換するだけなら、7〜25万円。
・複層ガラスへの交換
窓ガラスの交換だけなら、4万〜20万円。
・可動ルーバーの設置
目隠し用のルーバー設置は、6万〜10万円。
・窓のサイズ変更
窓のサイズを変更する施工は、12万〜25万円。
・内窓の設置
内窓の設置は、5万〜30万円が相場です。

■窓のサイズ変更&浴室全体をリフォームする場合
窓のサイズを変更したり、浴室全体をリフォームするなら、一般的には80〜200万円が必要になるでしょう。
施工期間も浴室内の状況によっては3日〜2週間程度。選定する部材のグレードや、窓のサイズ、現場状況などによって異なりますので、ぜひ事前に確認してください。

ナサホームの浴室窓施工事例

■大きな窓のある明るいバスルーム

全面改装を行い、もともとキッチンだった場所に浴室を移設。
既存の引き違い窓をそのまま活かして浴室内にぴったりと納まるように計画しました。
黄色いアクセントパネルと窓から入る自然光によって明るいバスルームに生まれ変わりました。

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■坪庭を眺められる癒しの浴室空間

坪庭を眺めながら入浴が楽しめる、心から癒しを感じる空間へ。

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まとめ

浴室の窓のリフォームを考えるときに大切なポイントをまとめてみました。窓の種類と特徴、断熱対策やプライバシー・防犯面、コストなど、実際の事例も含めて、気になることやもっと知りたいことを、ぜひお気軽にナサホームヘご相談いただければと思います。