軒天に起こる問題、気づいていますか?
一見するとそれほど重要な役割を果たしているようには見えない軒天。しかし実は、とても重要なものなんです。
軒天とは?またその役割とは?
軒天は、住まいから伸びている屋根の裏側、軒先の天井部分のこと。
この軒天には、住まいの見た目をすっきりと見せるというデザイン上の役割だけでなく、雨や日差しなどから住まいの外壁を守り劣化を防ぐ、隣家で火災が起きた際に火が住まいに燃え移るのを防ぐ、天井裏からの湿気を外部に排出する、天井裏に動物や害虫が忍び込むのを防ぐ、などのさまざまな役割を兼ね備えています。普段は意識しないで生活しているものの、実は住まいを長期的に住まいの状態を良好に保つためになくてはならないものなのです。
■軒天の素材
現代の住まいにおいては軒天は、ベニヤ板や化粧板といった木質の素材、耐火性に優れた不燃材、さらにガルバリウム鋼板などの金属素材で形成されています。
素材それぞれに利点がありますが、それでも長期的に使用していく上では、湿気などの浸透を防ぐための塗装が必要となります。
軒天に起こるトラブル
軒天は日々外気や室内からの湿気にさらされる場所でもあり、住まいに住み続けている中で次第に劣化が見られるようになります。ここではよく見られる劣化の症状とその原因についてご紹介します。
■軒天の塗料の剥がれ・劣化
軒天の表面には多くの場合、劣化防止の塗料による仕上げが施されています。しかし、長年に日差しや湿気、水滴、埃や排気ガスによる汚れが蓄積すると次第に表面の塗料が劣化し、剥がれてしまうことがあります。塗料の剥がれた軒天には湿気が浸透し、やがて家の天井や、天井を支える垂木などが腐食し。雨漏りなどの原因となります。
軒天にシミのような黒ずみができていたり、押してみると撓んでしまう、金属部分に錆が見られるなどの症状が見られるようであれば容易注意です。
■軒天そのものの割れ・欠落
塗料が剥がれた軒天は穴が開いたり、仕上げに使用している化粧板や不燃材のボードが剥落することがあります。こうして欠損した軒天からは、外気の湿気や水分がダイレクトに天井に侵入します。またさらに、軒天に開いた割れ目や穴から、スズメやネズミ、イタチなどの野生動物、ゴキブリやハチなどの虫が入り込み、天井裏に営巣してしまうことがあります。こうした生き物の排泄物が天井を劣化させることもありますし、ネズミなどが媒介する細菌などによって、住まい全体の衛生状態が低下する恐れも考えられます。
塗装が劣化した軒天をリフォームするには?
では軒天の劣化を発見した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
軒天の塗装
軒天の劣化が比較的軽度であり、塗料が剥がれているのであれば塗料の塗り直しを行うことで状態の復帰が可能です。
まずは、既に塗られている塗料を高圧洗浄機などで一旦剥がし(軒天が木材など水に弱い素材の場合はケレンなどのコテやサンドペーパーで擦り落とします)。さらに釘穴や細かなひび割れをパテなどで補修し、下地を整えたら、耐水性や通気性・防カビ・防錆性の高い塗料を下塗りと上塗りの2回行った完成です。この時、アクリルやエマルジョン系の樹脂系の塗料がよく使用されます。
軒天の張り直し
軒天の劣化が激しく、割れたり穴が開いている場合は軒天の仕上げに使われている板材を張り直す必要があります。
劣化が比較的軽度でひび割れなどは見られるものの、天井裏や周囲の垂木などまで症状が及んでいないという場合は、カバー工法による張り替えがおすすめです。これは既存の軒天を下材としてさらに補強し、その上から軒天ボードを重ね張りするもので、既存の軒天の解体や処分の手間がない分、費用や工期が少なくて済みます。
軒天が大きく欠損している場合は、既存の軒天を撤去し新たに軒天ボードを張り替える必要があります。この時天井裏に生物が入り込んでいないか、また周囲の柱などに被害が及んでいないかを確認し、必要であればこれらの補修を行った上で張り替えを行います。
ただし、局所的に痛みが激しくなっている場合などは、部分的に張り替えを行い、残りの軒天はカバー後方で仕上げるといった折衷案を取ることもあります。・
軒天のリフォームはどのくらいの費用が必要?
こちらでは軒天塗装や補修に必要な費用についても解説してまいります・。
軒天の塗装にかかる費用
■軒天の塗装のみで補修が完了する場合
割れや穴が警備な場合の補修を行う場合の塗装費用は1㎡あたりおおよそ、1000〜1500円ほど。ただし、軒天は高所にあるため作業には足場組が必要になります。この時の費用も1㎡あたり1000〜1500円ほど必要です。
■軒天の張り替えを行う場合
軒天が大きく劣化している場合、カバー工法で張り替えるのであれば、1㎡あたり5000円〜で補修が可能です。さらに既存の軒天を撤去した上で新たに張り替える場合の費用は1㎡あたり8000円〜。ただし、劣化の状況によっては周囲の補修費用がさらにかかる場合があます。また、軒天を補修する場合も足場を組む必要がありますので、この費用がかかります。さらに仕上げに塗装を行うのであれば、再塗装と同レベルの費用が上乗せされます。
軒天の耐久年数とメンテナンスのタイミング
一般的に軒天の耐久年数は5〜8年と言われています。そのため住まいを立てて5年後を目安に軒天の再塗装を行うようにしましょう。またそれより以前であっても、劣化箇所を見つけたら速やかに、リフォーム会社に連絡し状況の確認と、必要な補修措置を依頼するようにしてください。
まとめ
なかなかその存在に気がつかないものの、快適な住まいを守るために重要な役割を担っている軒天。再塗装で元通りになるのであれば良いのですが、劣化が進行してしまうと大規模な張り替えが必要になり、その分補修費用も高額なものになってきます。定期的に軒天部分の状態をチェックし、必要なメンテナンスを施していくことが、住まいを長持ちさせるコツ。
軒天の劣化が見られた場合はもちろん、状況確認が必要な場合はぜひナサホームまでご連絡ください。現地にスタッフが伺い、調査を行った上で適切なメンテナンス・補修プランを提案・実行いたします。