事前の調査が鍵、外壁&サイディングのメンテナンス方法

風雨や暑さ・寒さから家を守る外壁。その役割から、外壁には常に環境からの負担がかかっており、年月を経るごとに徐々に劣化していきます。その劣化を放置すると、大掛かりな修繕リフォームが必要になったり、場合によっては家本体が腐食したり、脆くなったりしてしまいます。 家を長く良い状態で維持してゆくためには、外壁の定型的なチェックとメンテナンスが不可欠です。今回はそんな外壁のお手入れについて、どのくらいのタイミングでどのような手入れをすれば良いのか、そうしたお手入れをリフォーム業者に依頼する際のポイントなども踏まえてご案内します。


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外壁に使われる素材


■サイディングボード
サイディングボードは、さまざまな模様が存在するパネル型外壁材。既存品を外壁に貼り合わせ、目地にシーリング材を充填します。セメントや金属、樹脂など多彩な素材のものがあります。

■外壁タイル
その名の通り外壁に使用されるタイルです。素材は石や土、粘土などを焼成したものです。衝撃にやや弱いものの、耐候性・耐熱性に優れています。外壁にタイルを貼り付け、目地部分にシーリング材やコンクリートやモルタルなど充填します。

■モルタル
砂やセメントに水を加え混ぜたものをコテ塗りした外壁です。モルタルは継ぎ目がなく、デザイン性が高いのが特徴ですが、左官職人の技術によって耐久性などに大きな差が出ます。

■ALC
ケイ素や石灰質、アルミニウムなどを原料として高温高圧で蒸気養生したパネル材。
軽量で耐火性に優れていますが、その反面水に弱いのが難点です。

外壁のメンテナンス時期とその目安

外壁は定期的にメンテナンスが必要ですが、そのメンテナンスの時期はどのように見極めれば良いのでしょうか。

■メンテナンス時期で見極める
一般的に、サイディング外壁のメンテナンスは10年に1度程度と言われています。
ただし、新築の場合は耐久年数がやや低い塗料を使われている場合もあるので、初回のメンテナンスは7年ほどのタイミングで行うと良いでしょう。

タイル壁は非常にメンテナンスの手間が少ない素材なのですが、目地に使われているシーリング材やモルタルは10年程度で劣化することがあります。そのため、タイルの外壁も10年程度を目処に目地のひび割れや接着の浮きが無いかの調査を行い、必要に応じて補修を行いましょう。

モルタル壁の場合も、メンテナンスのタイミングは10年に1回ほど。これはモルタルの壁に塗装された塗料の劣化が起こるためです。

ALCの場合は、7年〜10年に1度はメンテナンスの必要あり。サイディングやタイルと同じように目地部分の劣化に加え、塗装に関しても再度行う必要があります。ALCは特に吸水性が高く、塗装が剥げたところから水が染み込みやすいので、特に入念なチェックとメンテナンスが大切です。

■外壁の変化で見極める
外壁の表面にクラック(ひび割れ)がみられる場合は、メンテナンスが必要です。
またサイディングやタイル、ALCの場合は目地が割れていたり、剥がれている場合も早急な補修とメンテナンスが必要。モルタルやALCのように塗装して外壁を仕上げている場合は、塗装の剥がれが起こっていたら補修を依頼しましょう。

ただし目に見える形でひび割れや塗装の剥がれなどが起きている場合は、すでに外壁内部に水分が入り込んでいることがあります。劣化や破損に気づいてから補修をするのではなく、定期的にメンテナンスを行うことが、外壁を長持ちさせる秘訣です。

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外壁のメンテナンスはどのようにすればいいの?

外壁のメンテナンス方法

■高圧洗浄(全ての外壁に可能)
外壁に大きな傷や劣化が見られないものの、雨に含まれたチリや煤、苔やカビなどが外壁表面に付着している場合は高圧洗浄機による洗浄を行うことで外壁をきれいに保つことができます。

■ひび割れの補修(モルタル・タイル・一部のサイディングの場合)
外壁に軽微なひび割れが見られる場合は、メンテナンス時に補修することができます。
モルタルの場合は高圧洗浄で汚れを落とした後、ひび割れ部分をU字型にカットし、下地(プライマー)を塗り、その上からシーリングを充填しさらにモルタルを重ねます。ひび割れが小さい場合は、防水モルタルのみを上から被せる方法もあります。

タイル壁にひび割れがある場合、小さいものであればコーキング材でひびを埋めてしまうことで補修することができます。ただし何度もひび割れている場合や、タイル自体が割れてしまっている場合は、その部分のタイルを剥がして張り替えることで補修します。

■塗料の塗り直し(モルタルやALCなど塗装している外壁の場合)
外壁の塗料が褪色したり、剥げていたり、表面に白い粉(チョーキング)が浮いている場合は塗り直しが必要です。塗り直しの方法や、塗料ごとの性質に関しては下記の記事で詳しくご案内しておりますのでご確認ください。

家を長持ちさせる、外壁塗装リフォーム

■コーキングの補修(タイルやサイディング・ALCの場合)
サイディングやタイルを貼り合わせた際の目地に使われるコーキングに、割れや剥離が見られる場合は、軽微なものであれば目地にコーキングを重ねて充填します。ひび割れが顕著な場合は、コーキングを全て剥がし新しいコーキング材を打ち直す必要があります。こちらも、ナサホームマガジン内の記事で詳しくご紹介しておりますのでご確認ください。

劣化を見つけたら早めの対処が肝心!外壁コーキング補修のポイント

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外壁メンテナンスのために必要なこととは?

外壁メンテナンスは事前調査が重要

外壁の適切なメンテナンスを行うためには、外壁の状態を調べなくてはなりませんが、これは専門職でないとなかなか難しいもの。ちょっと見ただけではわからない小さな傷や高い場所の外壁の状態を細かにチェックするためには、リフォーム会社に依頼するのが最適です。なお、近年では飛び込みで「外壁の調査を行う」という営業をしている業者もいるようですがこうした訪問型の営業はできれば利用しない方がいいでしょう。
大事な住まいの外壁調査を任せるのであれば、地域に密着した業務を展開しているリフォーム会社に相談し、十分に説明をうけ見積を提出してもらった上で依頼をするようにしてください。

DIYでのメンテナンスは危険

外壁の塗装や補修では、地面から手の届く範囲だけでなく屋根に近い高所での作業も発生します。こうした高所での作業は危険が伴うため、適切に足場を組み、安全を確保しながら作業ができる専門業者に任せるのが安心。
また、DIYで補修を行うと適切な処置が行えず、かえって外壁の劣化を進めてしまい、数年後には外壁全面の塗装し直しやサイディングの貼り直しなどが必要となることもあります。

最も手がかからない”メンテナンスフリー”の外壁とは?

外壁のメンテナンスには、定期的にある程度の費用がかかります。そう考えると、「メンテナンスを全くしなくていい壁材はないものか」と考えてしまいますが、現在完全にメンテナンスがいらない外壁は存在していません。
それでも、外壁塗料やサイディングの質を上げることで、メンテナンスが必要となるまでの期間をある程度伸ばすことは可能です。
こうした、外壁のメンテナンスの手間を省く素材を選択するためにも、一度リフォーム業者に、相談し希望を伝えた上で、外壁の調査とメンテナンス、必要であれば全面的なリフォームを検討してみましょう。

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まとめ

外壁を定期的にお手入れすることで、住まいの快適性は保たれます。
7年〜10年に一度とはいえ、皆様が数十年住み継ぐ大切なお家ですから、メンテナンスを任せる業者は、信頼のおける、また長く付き合える業者を選んでいただきたいと思います。
ナサホームは関西を中心に、年間8,750件を超えるリフォームを手掛ける地域密着型の企業。定期的な外壁のメンテナンスはもちろん、外壁や屋根の全面リフォームなども行っておりますので、お困りの際はぜひ、私たちにご相談ください。