壁にできたクラック(ひび割れ)は修理すべき?リフォームすべき?

住む人や住まいの躯体を守る外壁。新築時にはしっかりと外壁材や防水塗料、コーキングなどで、水などの侵入を防げるよう対処してありますが、経年劣化や台風・地震などの自然災害によって劣化したり、ひどい時には穴やひび割れが生じてしまうことも。 こうした外壁に生じた、問題を発見した時にどのような対応を取ればよいのでしょうか。リフォーム業社に補修を依頼する場合や、大規模な工事が必要になる場合まで外壁の劣化具合などに合わせてご紹介してまいります。


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壁に開いた穴やひび割れは、修理できる?


まずは、外壁に起こる穴やひび割れの種類とその原因について解説していきましょう。

外壁に起こる穴の種類と原因

住まいの外壁に見られる穴の種類には大きく分けて3種類が考えられます。

■意図的に開けた穴
雨樋などを外壁面に固定するためのビス穴などがこれにあたります。現在穴が確認できるということであれば、何らかの原因で固定していたものを取り外した後、穴埋めをしていないという可能性が考えられます。

■外部からの衝撃によって生じた穴
台風などの強い風による飛来物や事故などによって外壁に物が強く当たってできた穴を指します。こうした外部の衝撃による穴は、内部まで貫通していることも多く、早急な対処が必要です。

■施工不良による穴
外壁材の上に細かな穴(ピンホール)がぶつぶつと空いている場合は、外壁の施工不良が考えられます。これは、塗装前の下地処理が適切でなかったり、下塗時の乾燥が不十分であったりという状況下で起こります。見た目は小さな穴であることが多いのですが、こちらも放っておくと外壁全体が傷む原因となります。

外壁に起こるひび割れとその原因

■細いひび割れ(ヘアクラック)
0.3ミリほどの細いひび割れは外壁の塗膜が劣化し始めている場合に起こります。
外壁の塗膜の下にあるモルタルなどの下地は、気温や湿度によって膨張・収縮することがあります。塗膜が機能を果たしている場合はこの変化に耐えることができるのですが、劣化しはめると変化に耐えきれずひび割れが起きてしまいます。

■塗装の継ぎ目にできるひび割れ
外壁にモルタルなどを塗装する場合に、天候不順などで塗装を一時中断したり、劣化した部分を上から塗り直した場合などで、塗装同士の間に乾燥度合いの違う境目ができた場合に起こるひび割れです。

■乾燥によるひび割れ
モルタルなどの壁材が塗装後に乾燥していく過程で収縮してできるひび割れです。ヘアクラックと比べてややひび割れが大きいものの、大規模なものとなることはあまりありません。

■構造そのものからくるひび割れ
地震による衝撃や地盤沈下などによって外壁に強い力がかかり、歪んでしまった場合にできるひび割れです。この場合は、ひび割れが大きく、また深いものとなっていることが多く、外壁そのものの耐久性が大きく下がっている可能性があります。

外壁の穴やひび割れを放置するとどうなる?

外壁の穴やひび割れには、早急な対応が必要なものとそうでない物があります。
ただし、これらは素人目にはなかなか見分けがつかないことも多く、狭い範囲の細かなひび割れだと思っていても、裂け目が深くなっていたということも起こり得ます。

こうした問題のある穴やひび割れを放置すると、その劣化箇所から雨水が浸透し外壁全体に水が回ってしまうことがあります。さらにそのまま放置すれば、住まいの躯体そのものが腐食してしまい外壁だけでなく家の構造、骨組みからのリフォームが必要になることも。

また、地震などで起こった構造的なひび割れの場合、外壁だけでなく建物そのものの耐久性が落ちている可能性があり、最悪の場合は家の倒壊につながることもあります。

外壁のひび割れや穴を発見した場合は、まずリフォーム会社などに相談した上で、劣化の状況を調査してもらうようにしましょう。

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大きさや壁の種類によって違うリフォーム方法について

外壁の穴の補修

■意図的に開けた穴
意図的に開けられた穴が小さく、また内部まで水が侵入していない場合はパテやコーキング剤を充填することで比較的簡単に補修することができます。

■外部からの衝撃によって生じた穴
穴のサイズが小さい場合は、パテなどで補修しますがサイズが大きい場合は、壁材そのものを交換します。

■施工不良による穴
施工不良であることが明確にわかる場合は、施工業社に依頼して再施工をお願いしましょう。ただし、保証期間が切れてしまっているという場合は、調査の上パテでの補修、再塗装などを行う必要があります。

外壁のひび割れの補修

■ヘアクラックなどの細いひび割れ
細いひび割れの場合は既存の塗装の上から弾性のある塗装を再度塗布することでカバーする形で補修します。

■乾燥によるひび割れ
ヘアクラックよりも太く深いひび割れの場合、ひび割れ周辺と外壁の素地を一部カットし、そこにプライマーを塗った上でコーキング剤やモルタルを再度塗装します。

■壁材にまで達し、水などが浸透してしまったひび割れ
ひび割れが深く、広範囲にわたる場合はサイディングを一度撤去し外壁を作り直したり、住まいの躯体を補修する必要が生じます。この場合、施工費用は数十万〜となることもありますので、ひび割れを発見したら放置せず、必ず施工業社やリフォーム業社に連絡してチェックしてもらうようにしましょう。

土壁や漆喰壁にできた穴やひび割れの補修は…

サイディングやモルタルではなく、土壁や漆喰壁の外壁においてひび割れが起きている場合も、ナサホームでは補修が可能です。
これらの土壁の補修は過去のナサホームマガジンでも詳しくご案内しておりますので、合わせてご確認ください。

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壁の補修をする場合の費用はどのくらい?

外壁にできた穴の補修費用

外壁の穴の補修は、穴の大きさによって大きく異なるものの穴にコーキング剤やパテ、モルタルなどを充填するのであれば、1ヶ所あたり3000円〜1万円程度の費用となります。

また、穴が大きくサイディングそのものを交換するという場合は、サイディングの面積1㎡あたり、2万〜5万円程度の費用が必要です。

外壁にできたひび割れの補修費用

外壁にできたひび割れ補修する場合、1㎡あたり3000円程度で、おおよそ5万円以下で収まることが多いようです。ただし、ひび割れが高所にある場合は足場を組む必要がありますので、こうした場合は15〜30万円ほどの費用が必要になることもあります。
また、ヘアクラックなどの軽微なひび割れで、弾性塗料の再塗装をする場合は1㎡あたり6000円〜1万円程度の費用が必要です。
また、ひび割れが非常に深く建物の内部まで達している場合は、既存の外壁ボードを取り外し家の骨組みの補修をした上で新しいサイディングに交換します。
この場合の費用は10万円〜100万円ほどと非常に高額なものになります。

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まとめ

外壁の穴やひび割れは、住まいの寿命に関わる重要な問題。
小さな穴やひび割れであっても軽視することなく早めの対処が必要です。また、軽微な劣化だと判断してDIYで補修などを行うと、後々大きな問題に発展することもありますので、まずは専門の業者にしっかりと穴の大きさ、ひび割れの範囲や深さ、またその原因と対処法を調べてもらうようにしましょう。
ナサホームでは数多くの外壁工事を手がけてきただけでなく、経年劣化などで生じた外壁の再塗装や補修なども行っております。
外壁のひび割れや穴を発見した際は、まず弊社までご連絡ください。